組み込み回路 15 · スイッチングレギュレータ

Chapter 15

スイッチングレギュレータ

この章がなぜ必要なのか——効率 90 % 以上はスイッチングでしか出ないから.

スイッチング電源は、インダクタにエネルギーを一時的に貯めて、 必要な分だけ配る回路である。 抵抗として捨てないので効率が高い。

この章で使う既出の用語(定義は各リンク先). バイアス(01 章 4 節)、DCR(02 章 5 節)、ESR(02 章 2 節)、インダクタ(02 章 7 節)、コンデンサ(02 章 7 節)、LED(04 章 4 節)、ほぼゼロ(04 章 4 節)、同期整流(04 章 5 節)、スイッチング電源(05 章)、MOSFET(06 章 6 節)、制御(06 章 6 節)、大電流(06 章 6 節)、飽和(06 章 3 節)、短絡保護(07 章 4 節)、ジッタ(09 章 3 節)、スプリアス(09 章 3 節)、発熱(11 章 5 節)、最速(13 章 1 節)、\(C_{IN}\)(14 章 7 節)、\(C_{OUT}\)(14 章 7 節)、\(I_Q\)(14 章 6 節)、PSRR(14 章 6 節)、不安定(14 章 3 節)、重負荷(14 章 3 節)

1. 原理——なぜ効率が上がるのか

LDO は「差分を熱で捨てる」。スイッチングは違う。

理想的なスイッチは損失ゼロである。

どちらの状態でも電力を消費しない。 これがスイッチングの原点である。

しかしスイッチだけでは出力が矩形波になってしまう。 そこで インダクタとコンデンサで平滑する。

インダクタが主役である理由

02 章の式を思い出す。

\[ v = L\frac{di}{dt} \quad\Longrightarrow\quad \Delta i = \frac{v \cdot \Delta t}{L} \]

インダクタに電圧をかけると、電流が直線的に増える。 そして 電流はエネルギーとして蓄えられる。

\[ E = \frac{1}{2}LI^2 \]

スイッチング電源は、この「貯める → 放す」を高速に繰り返している。

バケツリレーのたとえ.

LDO は、高いところから低いところへ水を流すのに、 細い管で抵抗をかけて流量を絞っている。 余ったエネルギーは管の摩擦で熱になる。

スイッチングは、バケツ(インダクタ)に一定量ずつ汲んで、運んで、空ける。 汲む回数と量を変えれば流量を調節できる。摩擦で捨てる分がない。

2. Buck(降圧)コンバータ

最も使う構成である。

Buck(降圧)コンバータVINSW1LVOUTSW2C_OUTC_INSW ノードSW1 と SW2 が交互にオン。ボルト秒平衡から V_OUT = D · V_IN
スイッチは損失ゼロ。インダクタに貯めて配るので、差分を熱で捨てる必要がない

SW1(ハイサイド)と SW2(ローサイド)が 交互に ON する。

ON 期間(SW1 ON、SW2 OFF)

インダクタの左端に \(V_{IN}\)、右端に \(V_{OUT}\) がかかる。

\[ v_L = V_{IN} - V_{OUT} > 0 \quad\Longrightarrow\quad \text{電流が増える} \]
\[ \Delta i_{on} = \frac{(V_{IN} - V_{OUT}) \cdot t_{on}}{L} \]

OFF 期間(SW1 OFF、SW2 ON)

インダクタの左端は GND に落ちる。

\[ v_L = 0 - V_{OUT} = -V_{OUT} < 0 \quad\Longrightarrow\quad \text{電流が減る} \]
\[ \Delta i_{off} = \frac{V_{OUT} \cdot t_{off}}{L} \]

定常状態の条件——ここから変換比が出る

定常状態では、1 周期で電流が元に戻る(そうでなければ発散する)。

\[ \Delta i_{on} = \Delta i_{off} \]
\[ \frac{(V_{IN} - V_{OUT})\,t_{on}}{L} = \frac{V_{OUT}\,t_{off}}{L} \]
\[ (V_{IN} - V_{OUT})\,t_{on} = V_{OUT}\,t_{off} \]
\[ V_{IN}\,t_{on} = V_{OUT}(t_{on} + t_{off}) = V_{OUT}\,T \]
\[ \boxed{\ V_{OUT} = V_{IN}\cdot\frac{t_{on}}{T} = D\,V_{IN}\ } \]

デューティ比 \(D\) をかけただけ。 これが Buck の変換式である。

この導出は「ボルト秒平衡」と呼ばれる.

インダクタにかかる電圧の時間積分が 1 周期でゼロ、という条件である。 スイッチング電源の解析はほぼ全部これでできる。

直感的には: インダクタは平均的に電圧を支えられない(DC 抵抗はほぼゼロだから)。 だから 1 周期の平均電圧は必ずゼロになる。

例: \(V_{IN} = 12\) V、\(V_{OUT} = 3.3\) V → \(D = 0.275\)。 1 MHz なら \(t_{on} = 275\) ns。

リプル電流——インダクタ選定の要

\[ \Delta I_L = \frac{(V_{IN} - V_{OUT})\,D}{L f} = \frac{V_{OUT}(1-D)}{L f} \]

\(V_{IN}=12\) V、\(V_{OUT}=3.3\) V、\(L=4.7\) µH、\(f=1\) MHz:

\[ \Delta I_L = \frac{3.3 \times 0.725}{4.7\times10^{-6}\times 10^6} = 0.51\ \text{A} \]

設計の定石: \(\Delta I_L\) を出力電流の 20〜40 % にする。

インダクタの飽和電流は、平均ではなくピークで見る:

\[ I_{peak} = I_{OUT} + \frac{\Delta I_L}{2} \]

02 章のとおり、飽和すると L が急減して電流が暴走する。 \(I_{sat}\) には最低でも 1.2〜1.5 倍の余裕を取る。

出力リプル電圧

\[ \Delta V_{OUT} = \Delta I_L\left(ESR + \frac{1}{8 f C_{OUT}}\right) \]

MLCC(ESR 数 mΩ)では容量項が支配的、 電解コンデンサでは ESR 項が支配的になる。

Buck コンバータの動作を見る

\(V_{IN}\)・\(V_{OUT}\)・\(L\)・\(f\)・負荷を変えて、 インダクタ電流の三角波、スイッチノード波形、出力リプル、 CCM/DCM の切り替わりを見る。

電流の経路を切り替えて見る

ON 期間と OFF 期間で電流の通り道がどう入れ替わるかを見る。 Boost で「切っても出力が残る」理由も、経路を見れば分かる。

3. 同期整流と非同期整流

ローサイドのスイッチが ダイオードか MOSFET かの違いである。

非同期(ダイオード)同期(MOSFET)
ローサイド損失\(V_F \times I \approx 0.4 \times I\)\(I^2 R_{DS(on)}\)
3.3 V 1 A での損失0.4 × 1 × 0.725 = 0.29 W1² × 0.03 × 0.725 = 0.022 W
効率低い(低電圧出力ほど不利)高い
部品点数外付けダイオードが要るIC 内蔵
軽負荷自然に DCM になる逆流しうる(制御が必要)

低電圧出力では同期整流が必須である。 \(V_{OUT} = 1.2\) V に対してダイオードの 0.4 V は致命的。

同期整流の落とし穴: デッドタイムと貫通.

ハイサイドとローサイドが同時に ON すると電源が短絡する(貫通電流)。 だから両方 OFF の期間(デッドタイム)を必ず入れる。

デッドタイム中は、ローサイド MOSFET のボディダイオードが電流を流す (05 章)。ボディダイオードは \(V_F\) が大きく逆回復も遅いので、 デッドタイムが長いと損失が増える。

短すぎれば貫通、長すぎれば損失。 ここは IC の設計者の腕の見せ所である (22 章のモータドライバでは自分で設定することになる)。

4. CCM と DCM——軽負荷で挙動が変わる

CCM(連続モード): インダクタ電流が常にゼロより上。 DCM(不連続モード): 電流がゼロまで落ちて、しばらくゼロのまま。

境界は:

\[ I_{OUT} < \frac{\Delta I_L}{2} \quad\Longrightarrow\quad \text{DCM} \]
CCMDCM
変換比\(D\) のみで決まる負荷にも依存する
制御素直伝達関数が変わる(ループ設計が難しい)
効率重負荷で高い軽負荷では PFM のほうが有利

軽負荷モード(PFM / バーストモード)

軽負荷では、スイッチング損失(\(\propto f\))と IC の \(I_Q\) が支配的になる。

そこで スイッチングを間引く。

モード動作効率(1 mA 負荷)出力リプルノイズ
強制 PWM(FPWM)常に一定周波数20〜40 %小さい周波数が固定でフィルタしやすい
PFM / バースト必要なときだけ数発打つ80〜90 %大きい(数十 mV)周波数が動くので厄介

どちらを選ぶか.

用途選択
電池駆動・待機時間が長いPFM(自動切替)
ADC やアナログの電源強制 PWM(リプルが読める)
RF の近く強制 PWM(スプリアスの周波数が予測できる)
一般的なデジタル負荷自動切替でよい

多くの IC は MODE ピンで選べる。デフォルトを確認すること。

「インダクタが鳴く」の原因.

PFM モードでは、スイッチング周波数が負荷に応じて変わる。 それが 可聴域(20 Hz〜20 kHz)に入ると、 インダクタや MLCC が磁歪・電歪で振動して音が出る。

対策:

5. Boost(昇圧)と他のトポロジ

Boost

Boost(昇圧)コンバータVINLVOUTSWC_OUTC_INV_OUT = V_IN/(1−D)。SW を切っても L とダイオードで出力に直結している
昇圧。入力電流が I_OUT/(1−D) まで増え、シャットダウンしても出力が消えない点に注意

ON 期間: インダクタの右端が GND → \(v_L = V_{IN}\) → 電流が増える(充電) OFF 期間: インダクタが出力に繋がる → \(v_L = V_{IN} - V_{OUT} < 0\) → 放電

ボルト秒平衡:

\[ V_{IN}\,t_{on} = (V_{OUT} - V_{IN})\,t_{off} \]
\[ V_{IN}\,D\,T = (V_{OUT}-V_{IN})(1-D)T \]
\[ \boxed{\ V_{OUT} = \frac{V_{IN}}{1-D}\ } \]

Boost 特有の 3 つの注意.

(1) 入力電流が大きい。 電力保存より \(I_{IN} = I_{OUT}/(1-D)\)。 1.5 V → 5 V で 100 mA 出すには、入力に 330 mA 以上流れる。 電池の内部抵抗を考慮しないと電圧が落ちて動かない。

(2) 経路が繋がっている。 OFF のとき \(V_{IN}\) から出力へ インダクタとダイオードで直結する。シャットダウンしても出力が消えない (\(V_{OUT} = V_{IN} - V_F\) が残る)。切りたければ別途スイッチが要る。 短絡保護も効かない。

(3) 右半平面ゼロ(RHP zero)がある。 出力を増やそうとして \(D\) を増やすと、一瞬出力が下がる (インダクタが充電中で出力に電流が行かない期間が延びるため)。 このため制御帯域を高くできず、過渡応答が Buck より必ず遅い。

トポロジ一覧

トポロジ変換比用途
Buck\(D\)降圧。最も一般的
Boost\(1/(1-D)\)昇圧。電池 → 5 V、LED ドライバ
Buck-Boost(反転)\(-D/(1-D)\)負電圧生成
4 スイッチ Buck-Boost自動切替入力が出力をまたぐとき(電池 3.0〜4.2 V → 3.3 V)
SEPIC\(D/(1-D)\)昇降圧・出力が正。部品が多い
チャージポンプ整数倍インダクタ不要。小電流のみ
フライバック絶縁AC-DC、絶縁 DC-DC
LLC / フォワード絶縁・大電力AC-DC の高効率帯

リチウム電池から 3.3 V を作る問題.

電池電圧は満充電 4.2 V → 放電末 3.0 V。3.3 V をまたぐ。

方法評価
LDO3.3 V を割ると出せない。容量を使い切れない
Buck のみ同上
4 スイッチ Buck-Boost○ 全域で 3.3 V。ただし高価・複雑
3.0 V 出力にする◎ 実際にはこれが多い。全域 Buck で済む

「出力電圧を下げる」のが一番安い解であることが多い。

6. 制御方式

方式動作特徴
電圧モード出力電圧誤差 → デューティ素直だが補償が難しい(LC の 2 次極)
電流モード(ピーク)誤差 → ピーク電流指令LC の極が 1 次に見えるので補償が楽。過電流保護が自然に付く。標準
COT(固定 ON 時間)ON 時間固定、周波数が動く応答が極めて速い。出力コンデンサに ESR が要ることがある
ヒステリシス出力が窓を外れたら切る最速。周波数が定まらない

現代の一般的な DC-DC IC は電流モードか COT である。

補償のことを気にしなくてよい IC もある.

「内部補償」型は補償部品が不要で、 指定の \(L\)・\(C_{OUT}\) の範囲で使えば安定が保証される。 その範囲を守ることが設計の全てになる。

ここでも MLCC の DC バイアス減衰(02 章)が効く。 「22 µF 指定に 22 µF/6.3 V を付けたが、5 V バイアスで実効 10 µF だった」 は典型的な不安定化要因。

7. ノイズ——DC-DC の代償

スイッチングは高速なエッジを作る。それがノイズ源になる。

3 つのノイズ経路

経路内容対策
出力リプルスイッチング周波数の三角波\(C_{OUT}\) 増、後段 LC/LDO
入力リプル電流入力側に矩形の電流が流れる入力 MLCC を IC の直近に
放射/伝導 EMIスイッチノードのエッジとホットループループ面積の最小化(後述)

ホットループ——最重要のレイアウト

Buck で 電流の流れ方が瞬時に変わるループは次の 1 つである。

ホットループ(ns で数 A が流れ変わる経路)C_INハイローL出力へこの輪の面積が EMI をほぼ決めるv = L_loop · di/dt。5 nH × 2 A/ns = 10 V のスパイクが出る
入力コンデンサを VIN ピンと GND ピンの間に最短で置く。他のどの部品よりも優先する

この「\(C_{IN}\) → ハイサイド → ローサイド → \(C_{IN}\)」のループに、 ns オーダで数 A の電流が流れる。

\[ v = L_{loop}\frac{di}{dt} \]

\(L_{loop} = 5\) nH、\(di/dt = 2\) A/ns なら:

\[ v = 5\times10^{-9} \times 2\times10^{9} = 10\ \text{V} \]

10 V のスパイクが出る。 これが EMI とリンギングの正体。

レイアウトの最優先事項.

入力コンデンサを、IC の VIN ピンと GND ピンの間に、最短で置く。

これを外すと、あとから何をしても直らない。

その他のレイアウト規則理由
スイッチノードの面積を最小にここが最大の放射源(dV/dt が大きい)
ただし細くしすぎない大電流が流れるので発熱する。バランス
フィードバック配線はスイッチノードから離す結合してジッタ・不安定化
フィードバックの分圧は出力コンデンサの直後から取る配線抵抗の電圧降下を含めない
パワーグラウンドとシグナルグラウンドを分ける大電流のリターンがアナログに乗らないように
サーマルパッドに複数ビア放熱経路

スペクトラム拡散

多くの IC は 周波数を数 % 揺らす(スペクトラム拡散)機能を持つ。 エネルギーの総量は変わらないが、ピークが分散して EMI 試験を通りやすくなる。

ただし:

8. 効率——どこで失われるか

損失式支配する条件
導通損失(SW)\(I^2 R_{DS(on)} D\)重負荷
スイッチング損失\(\frac{1}{2}V_{IN}I(t_r+t_f)f\)高入力電圧・高周波
ゲート駆動損失\(Q_g V_{drv} f\)高周波
インダクタ銅損\(I^2 R_{DCR}\)重負荷
インダクタ鉄損周波数とリプルに依存高周波・大リプル
IC の \(I_Q\)\(V_{IN} I_Q\)軽負荷
ボディダイオード導通\(V_F I t_{dead} f\)デッドタイムが長いとき

典型的な効率カーブ:

負荷電流(対数)効率95 %70 %軽負荷I_Q とスイッチング損失重負荷I²R が効く1 mA 10 mA 100 mA 1 A 3 A
効率カーブは山形になる。自分が使う負荷点で読むこと。カタログの最大値は意味を持たない

周波数を上げるとどうなるか.

上げると下げると
インダクタ・コンデンサが小さくできる部品が大きい
過渡応答が速くなる遅い
スイッチング損失が増える効率が上がる
EMI の周波数が上がる(対策が変わる)可聴域に近づくリスク

1〜2 MHz が現代の組み込み向けの主流。 部品サイズと効率のバランスがここにある。

効率と損失の内訳を見る

負荷電流・入力電圧・スイッチング周波数を変えて、 各損失の内訳と総合効率がどう変わるかを見る。

9. 選定と実務

選ぶときに見る順番

  1. \(V_{IN}\) 範囲(最大定格に余裕を。サージも考慮)
  2. \(V_{OUT}\) と \(I_{OUT}\)(ピークで見る)
  3. 必要なデューティが実現可能か → 最小 ON 時間の制約。\(t_{on(min)} = 50\) ns、\(f = 2\) MHz なら \(D_{min} = 10\) %。24 V → 1.8 V(\(D = 7.5\) %)は作れない
  4. 効率カーブ(自分の使う負荷点で見る)
  5. モード(PFM 自動切替か FPWM か)
  6. パッケージと熱
  7. 推奨 \(L\) / \(C\) と、その入手性
  8. 保護機能(過電流・過熱・過電圧・UVLO)

最小 ON 時間の壁は実際に踏む.

高い入力電圧から低い出力を作るとき、 周波数を下げるか、2 段構成にするか、 パルススキップを許容する(リプルが増える)ことになる。

12 V → 1.2 V @ 2 MHz なら \(D = 10\) %、\(t_{on} = 50\) ns。 これは多くの IC の下限ぎりぎりである。

よくある事故

事故原因
効率が出ないインダクタの DCR が大きい、周波数が高すぎ、軽負荷で FPWM
出力が不安定・発振\(C_{OUT}\) の実効容量不足、フィードバック配線がスイッチノードに近い
EMI 試験に落ちるホットループが大きい、入力コンデンサが遠い
インダクタが異常発熱飽和している(ピーク電流で見ていない)
起動しない/再起動を繰り返す突入電流で過電流保護、ソフトスタートが短すぎ
鳴くPFM の周波数が可聴域
MCU がリセットする出力リプルがブラウンアウト閾値に触れている、または負荷過渡
軽負荷で出力が上がる非同期構成の DCM。パルススキップの下限
ADC の値が周期的に揺れるスイッチング周波数のリプルが基準やアナログ電源に乗っている

ADC のためのおすすめ構成.

12 VDC-DC3.6 VLDO3.3 V(アナログ)3.3 V(デジタル)大電力の変換は DC-DC で、アナログ部だけ LDO で仕上げる
ADC のための定石。LDO にドロップアウトの余裕(0.3 V 以上)を残さないと PSRR が出ない

まとめ

ポイント内容
原理理想スイッチは損失ゼロ。インダクタに貯めて配る
解析の道具ボルト秒平衡(1 周期でインダクタ電圧の積分がゼロ)
Buck\(V_{OUT} = D\,V_{IN}\)
Boost\(V_{OUT} = V_{IN}/(1-D)\)。入力電流が大きい・切っても出力が残る・RHP ゼロ
リプル電流\(\Delta I_L = V_{OUT}(1-D)/(Lf)\)。出力電流の 20〜40 % が定石
インダクタ選定飽和電流はピーク \(I_{OUT}+\Delta I_L/2\) で見る
同期整流低電圧出力では必須。デッドタイムが要る
CCM/DCM軽負荷で DCM。PFM は効率が高いがノイズと鳴きの原因
制御方式電流モードが標準。COT は高速だが \(C_{OUT}\) に条件
最重要レイアウト入力コンデンサを VIN-GND 間に最短で。ホットループ面積が EMI を決める
スパイクの正体\(v = L_{loop}\,di/dt\)。5 nH × 2 A/ns で 10 V
最小 ON 時間高 \(V_{IN}\) → 低 \(V_{OUT}\) で壁に当たる
効率カーブ軽負荷は \(I_Q\) とスイッチング損失、重負荷は \(I^2R\)
アナログ用DC-DC → LDO の 2 段。LDO にドロップアウトの余裕を残す

次章では、LDO と DC-DC を並べてシステムとしての電源を組む。 デカップリング、シーケンス、保護、熱を扱う。